2013年05月

2013年05月30日

【稀勢の里vs琴奨菊】
今場所のハイライト、稀勢の里。
驚いたのですが、日本人で優勝したのは平成18年1月の栃東が最後だったのですね モンゴル人ばっかりというイメージを抱いておりましたがまさかここまで開いていたとは・・・観戦に来なければ知らないままでした。また、日本人最後の横綱は平成15年1月場所中に引退した貴乃花が最後だそうで、以来10年、日本人横綱不在の状態が続いているとか・・・不甲斐ないですね。確かに頭上の優勝額を見たら白鵬・白鵬・白鵬で、日本人は1人もいませんでした(((( ;゚д゚)))  
こういうデータを見てしまうと稀勢の里にかける皆の期待がよく分かります。実際、日馬富士に対し「今日は頼むよ!」と叫んでいる人もいました(稀勢の里が勝って日馬富士が白鵬に勝てば優勝決戦にもつれ込むので)  
しかし結果は皆様ご存知のように、稀勢の里の敗け。呆気無い勝負でした。やはりプレッシャーに負けたんですかね。ちなみに勝負がついた瞬間の国技館内の空気はなんとも言えなかった・・・溜息の渦・・・誰が可哀想って琴奨菊(泣)  これほどやりにくい取組があったでしょうか。その場の大半に喜ばれない勝利って気の毒です。誰か1人でも琴奨菊に「よくやった!」って叫んであげてやって欲しかったですね
稀勢の里2



【白鵬vs日馬富士】
稀勢の里が負けた時点で白鵬の優勝は決定。後は全勝で優勝するかどうかだけです。こうなるともう、白鵬の強さを見物するのみですネ。で、実際見た白鵬はメチャメチャ強かったです 既に優勝が決まっていて肩の力も抜けていたのか余裕の表情。圧倒的な勝利でした。ちなみにオペラグラスで見て気付いたのは、白鵬の身体の綺麗さでした。グラス越しに見ると大変よく分かるのですが、どの力士も肩・手首・足首にサポーターをグルグル巻いているのですよ。そして胸や背中にも多かれ少なかれ傷を負っています。でも白鵬だけは違いました。右手首に細いサポーターを一箇所巻いているのみ。後はまっさら。傷も見えませんでした。やはり強い力士というのは怪我しないのかしらね~と感心するワタクシでした(あくまで素人考えなので違うかもしれません)。・・・なにはともあれ白鵬関、優勝おめでとうございます(^∀^)
結びの一番



【懸賞金】
相撲には企業や団体から懸賞金がつきますネ。それは知っていたのですが、対象となる取組前に土俵の回りを呼出さんが「懸賞幕」を持ってグルグル回るのには驚きました。懸賞が多いと大変じゃん 
また、全てのスポンサーの名前を読み上げるのですが、一社につき何本も懸けられるらしく「味ひとすじお茶づけ海苔の永谷園」「さけ茶づけの永谷園」「梅干し茶づけの永谷園」・・・とか微妙に変えているのがウケた。永谷園とタマホーム、どんだけ相撲で宣伝したいんだwww  
(ちなみに3本懸けてる高須クリニックは全て“イエス!イエス!イエス!高須クリニック”で通しており院長のブレなさを感じました)笑。 
さてこれだけ懸賞が懸けられていると気になるのは金額 一体いくら貰えんのよ~と思うのが人のサガです。で、後から調べたら「一本6万円」でした。このうち5千円は相撲協会に行き、力士の取り分は5万5千円(うち2万5千円は引退後に入る)。つまりその場では3万円貰えるワケですね。あ、今「その場」と書きましたが本当にその場で貰えるんすよね 後から銀行振込とかじゃない(笑) 取組が終わった後すぐ土俵上で行司さんが軍配の上に懸賞袋を乗せ手渡すのを目撃しビックリでした。でも考えてみればこれ程わかりやすい「ニンジン」はない。勝ったらその場で現金決算!! こりゃヤル気が出るってモンです。
尚、この日の「白鵬vs日馬富士」の取組には、取組表に書いてあるだけで41本の懸賞が懸けられていました。直前に申し込む人もいるみたいですから、実際はもっと多かったかもしれませんね(上限は51本だそうです)。白鵬に渡された懸賞袋はぶ厚く、横綱の大きな手でも持ちきれないくらいになってました。41本×6万円・・・246万円・・・・・・ただひたすら「羨ましい」の一言です
稀勢の里白鵬













 ・・・さて、本来なら「其の三」あたりで記事を終わらせるつもりでしたが他人のお金の皮算用をしていたら長くなってしまいました(笑)  
もう少し続けさせて頂きたいと思いま~す( ´∀`)つ

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2013年05月29日

【十枚目以下各段優勝者表彰式⇒幕下以下各段優勝】
幕下優勝者の名前が朗々と読み上げられた時、笑いが起きました。「大砂嵐金太郎」(笑)
これは知っていても笑ってしまう。なんという名前でしょう。エジプト出身なので大砂嵐は分かりますが、金太郎は意外性に富んでいるw  他にも四股名には「勢(いきおい)」とか「臥牙丸(ががまる)」とか面白いのが沢山あるんだなぁと思いました。四股名でもキラキラネームが増えたりしてるのかしら!?(笑) ちなみに大砂嵐金太郎さんは国技館に着いた時、外で見かけました。流石の私もエジプト人は見分けがつくw  幕下だけど大変な人気で、“出待ち” ならぬ “入り待ち?” をしている人達から熱烈な声援が起きていました。全勝(7勝)での優勝とのことですから、大したモンですね 実物を間近で見て親しみが湧いたので今後注目したいと思います。
大砂嵐金太郎



【幕内土俵入⇒横綱土俵入】
さぁ、いよいよ東西両横綱の土俵入です。この辺りで日の丸の後ろに「満員御礼」の幕が掲げられました。ハッと我に返って見渡すと、いつの間にやら広い国技館が人で埋まっています。熱気ムンムン。これぞ千秋楽なんでしょうね  (写真)左・・・白鳳  /  右・・・日馬富士
横綱土俵入り 白鵬横綱土俵入り 日馬富士













【オペラグラス・行司の装束】

話は変わりますが、私は今回オペラグラスを手に観戦しました。持って行った方が細部までよく見えるとのアドバイスを受けたからです。自分では持っていないので、会社の男の子(コンサートへよく行く子)に借りて行きました  お陰でそれこそ力士の汗まで見えましたよ~。
グラス越しに一番観察したのは「注目」とお教え頂いていた行司さんの装束。やはり取組が進むにつれ絢爛になってゆくようです。軍配の房の長さも違うかな?? 足元は最初裸足だったのが足袋を履き、その後、草履を履いていました。そして結びの一番の「立行司」さんは本当に短刀を差していました。間違った判定(差し違え)をしたら切腹する覚悟を現しているそうです。すごいですね~  そこら辺の予備知識も有ると無いとでは大違い(無いと恐らく見流してしまうと思う)ので、事前に色々 “見所” までご指導頂いていて良かったです。有難うございました。
4オペラグラス













【三役揃い踏み⇒これより三役】

残念ながら、私が応援していた舛ノ山は負けてしまいました 見事な接戦で取組が明らかに心臓のリミット20秒を超えていたんです 苦しそうで見ていられませんでした。土俵の外に投げ飛ばされた後なんて、胸を押さえしばらく起き上がれませんでしたからね・・・かなりヤバイ状態ではなかろうかと心配になってしまいました。舛ノ山関、大丈夫???
ちなみに私、「これより三役」の三役は「大関・関脇・小結」の三役だと思ってたんですが、違うんですね。あくまで「結びの三番(千秋楽の最後の3取組)」とのこと。だから横綱も入るんですね。大変勉強になりました。千秋楽ならではの「三役揃い踏み」を見ることが出来、感動です(T_T) 
三役揃いぶみ稀勢の里













・・・さて、大量の永谷園と共に登場する稀勢の里をチラ出ししたところでお時間が参りました(笑)  仕事に戻ります。
お次はいよいよ注目の「結びの2番」。また後日仕事をサボッてアップ致しま~す(^∀^)


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2013年05月27日

人生初、大相撲観戦を体験して参りました(*´∇`*)
キッカケは大和田落語会
今年1月、大和田の打ち上げで小里ん師匠が歴代有名力士の物真似を披露してくださったんですね(ちょうど大鵬が亡くなった直後だったので・・・)。で、それを見た私が「相撲って見たことないからよく分かんないんです~」と呟いたのが発端でした。有り難いことに「それでは一度観てみますか??」と言ってくださる方がいらっしゃり、お顔の効く「相撲茶屋」さんにてチケットを取って下さったのです。しかも千秋楽というプレミアム・チケットを!!! 感謝感激です

なにぶん初めてのことで書くことが盛り沢山。
そして私は本日、12連勤初日(爆)
ということで、まずは何回かに分け時系列に書いてみようと思います。ダラダラ長くなるかもしれませんが、どうぞ気長にお付き合いくださいまし~φ(.. )


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【両国駅到着】
両国駅で下車した瞬間、相撲モード・オン!!(笑)
運がいいことに、ちょうど両国駅は改装を終えたばかりだったんですよ。駅の中に土俵ができ、壁には歴代横綱の手形という徹底っぷり。本当に両国は相撲と共にある町なんですネ。せっかく両国まで来たので、国技館隣にある「江戸東京博物館」も少しだけ見学して来ました。写真は江戸時代の街並みを模したミミチュア模型です
12













【両国国技館到着】
江戸東京博物館を後にし、いよいよ両国国技館へ・・・
風にはためく幟がカッコイイ。よくテレビ中継でも映りますネ。
あぁ相撲に来たなって~感じです
ちなみに相撲も力士も全く知らない私が今回“応援よう”と思っていたのは千葉県栄町出身の舛ノ山&日本人で7年ぶりに優勝できるかもしれない稀勢の里(※稀勢の里が勝ち白鵬が負ければ1敗同士で優勝決定戦にもつれ込むという素人にも分かりやすい状況)。
舛ノ山関は千葉出身というだけでなく、心臓に疾患を抱え20秒しか取組が出来ないというハンディキャップを持ちながらも前頭まで進んだという努力の人です。一応そのことは “美談”として知っていたので、応援せざるを得ません。どちらかと言うと稀勢の里より興味がありました。

幟1幟2













【両国国技館入場】

「相撲茶屋」さんで買ったチケットを事前に受け取っていたため、他のお客さんとは違う「案内所」という入り口から入場することが出来ました。入った瞬間、お茶屋さんが一杯でビックリ。全部で20軒くらい有るんですかねぇ。お茶屋さんのスタッフの方は「出方さん」と言うらしいですが、どのお茶屋の出方さんも “たっつけ袴” 姿でとっても素敵!! この案内所ブースに入った瞬間からもう別世界にワープした気分でした。チケットを手配してくださった出方さんに声を掛け、お弁当を受け取り、席まで案内してもらいます(^∀^)


【観戦席着席】
今回お取り頂いたのは「2階イス席A」という席でした。
2階の「正(正面)2」という入り口から一歩中に足を踏み入れた瞬間思ったのは、“広い” (; ̄Д ̄)  こんなに広いとは思わなんだ~。そして、声援がすごい!! まだ幕下力士の取組中だったのに、ヤジやら声援やらが沢山飛んでいてとても賑やかでした。中には何語か分からないシャウトもあり、こんな所で相撲の国際化を実感(笑)
席の感じも全く想像が出来なかったのですが、とても広々としていて快適。椅子もフカフカです。テレビ中継で土俵周りの席が視界に入ることから、もうちょっとゴチャゴチャしてるかな?? とイメージしていたので、嬉しかったです。長時間座っていても疲れませんでした
もちろん見え方も文句ナシ!! 2階なのにド迫力の見えっぷりです
むしろ上から全体が見渡せるので、初心者にとっては1階席より適しているかもしれませんヾ(=^▽^=)ノ  こんなに良い席を取ってくださり感謝です。それにしても2階でこの迫力ってことは、よく菊之丞師匠とかが映り込んでる笑)、いわゆる「砂かぶり席」ってどんなんだろう 迫力どころじゃないんだろうなぁ。ちょっと怖いくらいかもしれませんね(実際力士が吹っ飛んでくるみたいだしw)
初国技館2













【十両土俵入り⇒協会御挨拶】
ここからは私のガラケーで撮影したピンボケ写真の連打になります
雰囲気だけで勘弁してください。
十両力士の土俵入りを見て思ったのは、“やっぱデカイ”(←当たり前w)   廻しを締めた力士がゾロゾロ現れ土俵をグルリ囲むのは迫力があります。カッコイイ。協会御挨拶で2列に並ぶ姿も壮観でした。
十両土俵入り?協会御挨拶













【十両力士の取組】
肝心の取組ですが、テレビ中継すらマトモに見たことがないワタクシ・・・(´-д-;`)
最初は西と東、どっちがどっちだかも分かりませんでした。もちろん顔も名前も一切一致しませんので、チケットと一緒にいただいた番付表&入場時に貰ったプログラムを見ながら一生懸命、名前と出身地を追いましたよ
一緒に行ったのが “昔はよく観た” というタイプで、相撲の基本知識は割と持っている人だったので助かりました。やはり解説は必要です。

【お弁当を食べる】
十両が繰り広げる熱戦を観ながら、売店で購入した「焼き鳥」と、お茶屋さんで購入した「幕ノ内弁当」を食べます(この時点で14:30)。
このためにお昼ご飯を我慢したたのよ~ッ(笑)
ちなみに売店の焼き鳥ですが、これは大相撲へ行くと言った瞬間から皆に「焼き鳥が旨いから絶対食べろ」と言われてました(((( ;゚д゚)))  なんなの~!?  なんで国技館で焼き鳥なの~!?
と思い調べたところ、ちゃんと根拠があることが分かりました。相撲は手をつくと負けることから鳥は二本足で立つので縁起が良いとされており、国技館で焼き鳥が名物になったのだそうです。国技館がまだ蔵前にあった頃からで、今ではなんと1日平均45000本も焼かれているそうですよ!!! すごっ  確かに回りを見渡すと、子供から外国人までみんな食べてました。
実際食べてみたら本当にタレがよく染み込んでいて美味しかった。ビールにピッタリw 幕ノ内弁当も上品で良い味付けでした。卵焼きに「国技館」と刻印されている芸の細かさなんてたまりませんネ
焼き鳥弁当2













さて、お得意のグルメネタも盛り込んだところで時間が参りました(笑)
仕事に戻ります。この後はいよいよ「幕内土俵入」「横綱土俵入」、そして注目の取組多数!!!
また後日アップしたいと思いま~す(*´∇`*)


                       お後がよろしいようで。





【追伸】
記事を書くに当たり「其の一」「其の二」「其の三」まで簡単な骨組みだけをメモ程度に作っていたのですが(私がよくやる手法です)、何故か先に「其の三」の概要だけアップしてしまいました すぐに気付き引っ込めましたが「何これ~?」と不審に思われた方、失礼致しました。



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2013年05月25日

昨日は午後半休を取り、「柳の家の三人会」へ行ってきました

落語のために休むなんて久しぶりだわ~(^∀^)
と言うのもこの会、18時開場・18時半開演なんですよ。び、ビミョー
前回ここに来た時もそうでしたが、なんで19時とか19時半にしないんですかねぇ。18時に船橋に来れる会社員ってなかなかいないと思うんですが・・・ま、私はダメOLなんで行きますがね(笑)

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皆に「意外~」驚かれ、その驚かれっぷりにむしろ驚きましたが、私にとって正真正銘、初・喬太郎師匠でした。
「今年初とか今月初じゃないの!?」とまで聞いてきた人がいましたが、いやフツーに人生初っす(爆) 何度も言ってますが私 “チケット争奪戦” が苦手なんで、師匠くらいの人気者になると見れないんですよ  
だから東京モンが敬遠する千葉の片田舎に来てくださり本当に感謝ですv( ̄∇ ̄)v

喬太郎師匠というとSWAのイメージが強く、今回も新作かな?? と思いましたが意外にも古典でした。そして、これほどまでに古典も面白く演じられる方なんだな~とビックリ。噂に聞いていた喬太郎師匠らしい時事系くすぐり満点(あまちゃんネタとかw)。間男のマヌケさ・女房のしたたかさ・そして何も知らないオトボケ亭主の対比がたまらない、今まで聴いた中で一番面白い『紙入れ』でした

トリの市馬師匠は客層(普段あまり落語を聴かない地元のじいちゃんばあちゃん?)を意識してか、亡き小さん師匠のネタで軽めのマクラ。私は見た事ないんですけど、「あさげひるげゆうげ」のCMって随分長くやってたんですかね。周りのおじいちゃんおばあちゃん達は大きくうなずき「家で食べてるところ見たことない」の定番ネタに大笑いしてました♪ 
そしていい感じに客席が温まったところでスッと『片棒』に・・・ここら辺の間合いは流石ですね。お得意の木遣りも朗々、大変気持ちが良い片棒でございました(*'-'*)


・・・「下総のビバリーヒルズ(by喬太郎)」、船橋。
相変わらず穴場です。客の入りは8分ほど。お陰様でチケット争奪戦が苦手な私も悠々と初・喬太郎師匠を堪能することが出来ました  
今後も千葉県内に色んな方が来られることを祈っています(´∀`)




               お後がよろしいようで。



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2013年05月23日

1



有栖川有栖の『幻坂』を読みました。
【真言坂】【源聖寺坂】【口縄坂】【愛染坂】【清水坂】【天神坂】【逢坂】・・・
これら『天王寺七坂(大阪七坂)』と呼ばれる7つの坂、それぞれが舞台のショートストーリ(+番外編2つ)です。
どれも幻想的でちょっとだけ怖いお話。ジャンル的には怪談小説と言っていいのかな。でも恐ろしさに重点を置くことなくどれも情緒あるストーリーとなっています。

読んでいて私は、気になる言葉に出会いました。
それは「愛染(あいぜん)さんパラパラ」
言うまでもなく『愛染坂』の一編に出てくる言葉です。
愛染坂で出会った男女。でもお互い連絡先も聞かずに別れてしまう。それを聞いた男の叔父が呆れたように言います。

「きみな、愛染さんパラパラいうのを知らんのか? (中略)あのな、愛染祭りていうのは、6月30日から7月2日まで。梅雨のさなかやろ。たいてい3日のうちの何日かは雨に降られる。これが愛染さんパラパラや。男女でお参りして、行きか帰りに愛染さんパラパラに遭うたら、2人は幸せになれる。ま、そういうこっちゃ。」

・・・天気が良くない中、参ってくれたカップルに対する粋な計らいということらしいです。素敵ですよね、こういうの(^_^)ニコニコ  
私は初めて聞いたけど、大阪の人にとってはメジャーな言葉なのかしら?? 色っぽいわぁ   「あいぜんぱらぱら」という語感の良さも手伝い、私はすっかり気に入ってしまいました(笑) 
ちなみに男女は再会を果たし、東京で共に暮らし始めます。しかし男(作家)はスランプ。女(作家志望)は新人賞を獲り売れっ子に・・・そして、悲劇的な最期を迎えます  ま、ネタばらしはそこまでにし、余韻の残るいい話ですよ。7つの中でも好きな一篇です。

西は京都までしか行ったことがないワタクシ。
大阪というと派手できらびやか、良い意味でも悪い意味でも「雑多」なイメージを持っていました。でもこの本を読むと、大阪にもこういう場所があるんだな、歴史があるんだな、と分かります。
大阪に土地勘のある方・天王寺七坂を歩いたことのある方が読んだら、また違った感じ方が出来るかもしれませんね

ちなみに作者はあとがきでこう書いています。
『天王寺七坂という狭いエリアに絞って描いたのは、そここそが私にとって最も大阪らしいと思える土地だから。観光名所も繁華街もなく、大阪に縁がない方にとってはまったく未知の場所だし、大阪市内に住んでいてさっぱり知らない方もいるだろう。しかし、私はその界隈を歩くと、糸より細い声で大阪が歌っているのを微かに聴く。リアリズムを担う街が秘めてきたファンタジーを感じて、「聴こえてるよ」と応えたくなる。古都と呼ばれる間もなく、常に今を生き続ける大阪の鼓動はあまりに強くて、歌声は掻き消されがちだ。懸命に耳を澄ましながら大阪へ「聴こえてるよ」と返答するために書いたのが本書に収めた九編の物語である。』

『糸より細い大阪の声』・・・これまた印象的な言葉ですネ。
本の海に漂うキラキラした言葉たち。
私もまた、「聴こえてるよ」と言いたいです。




                            お後がよろしいようで。




1←読んでいて “地図はないのか?” と思っていたら、巻末付いてました。
ナゼ巻末w 出来たら巻頭に付けといて欲しかったなぁ でも “読んでイメージして” という作者の意図かもしれませんネ。この地図を見ると「真言坂だけ仲間外れみたい」という登場人物のセリフもよく分かります。



















shizutamarakugo at 19:30コメント(2)トラックバック(0) 
猫ムスメ

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