2011年10月01日

酒はしづかに・・・

「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり」

酒仙の歌人・若山牧水の、最も有名であろう一首です。

いいですね、なんという風情でしょう
暑く賑やかだった夏が終わり、縁側を吹き抜ける一陣の風。
沼津の屋敷でススキなど眺めながら一人静かに盃を傾ける牧水の姿が目に浮かぶようです(←勝手な想像)

大勢でワイワイ飲むお酒も楽しいけれど、秋の酒はやはり静かに飲むものなのでせうか  飲むより食べる専門の私には出来ないことだけど、黙って淡々と盃を口に運ぶ男性の背中には、なんとも言えない威厳・頼もしさ・・・といったものを感じます。イメージ的には高倉健??(笑)

ちなみに今日10月1日は「日本酒の日」。
【日本酒面白話】http://www.sakejapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=27


牧水は旅と酒をこよなく愛し、一日一升の酒を飲んだそうです。
43歳で亡くなった際の死因も、もちろん肝硬変。
残暑厳しい9月17日に死んだにも関わらず遺体からは時間が経てども腐臭がせず、医者をもって「生きたままアルコール漬けになっていたのでは・・・」と言わしめたそうw  んな馬鹿なって感じですが、酒飲みとしてそこまで言われれば本望だったでしょうね

「人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ」
「酒のためわれ若うして死にもせば 友よいかにかあはれならまし」

・・・すげぇ。ここまで腹を据えて酒を飲んでいる人が今の世にいるでしょうか。年に1度の健康診断に怯えメタボな腹を押さえつつのむ酒と、死んでも憐れむなと言い切って飲む酒。オススメは出来ないけれど、“濃ゆさ”が違う気が致します(^_^)ニコニコ 


「静かに酒を飲みつつ44歳の生涯を閉じたり」

・・・これは、牧水の墓碑銘(正確には生家の跡に建つ記念碑)に書かれた言葉です。し、しびれる~(笑)  酒を飲みつつ生涯を閉じる。酒仙として知られた男の生涯にふさわしいキッパリした碑銘ですネ。

「口に饅頭を含みつつ32歳の生涯を閉じたり」
私が今死んだなら、きっとこんなモンでしょう(爆)






                    お後がよろしいようで。














shizutamarakugo at 19:32コメント(4)トラックバック(0) 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by HyperChem   2011年10月01日 21:34
お饅頭、喉に詰まらせないようにしてくださいよ(^_^;)。
日本酒の日ですか。これほどまでに冷え込んでくると
熱燗もおいしいことでしょう。
お酒の成分は人を円熟させる力もあるのでしょうか。
ずっと変わらない嗜好品。
増税対象にならないことを祈ります…。
2. Posted by まいるど   2011年10月01日 22:41
餅を食べ過ぎて蛇含草を飲むなんてのも・・・
3. Posted by 猫ムスメ   2011年10月02日 11:25
HyperChemさん

流石に饅頭を喉に詰まらせ死んだら甘党の私も「本望」とは言えませんよ

そろそろ寒くなってきたので、人肌の熱燗が恋しい季節かもしれませんネ。アルコールは太古の昔から木の根っ子を発酵?蒸留? させたりして作っていたみたいですし。人間になくてはならない嗜好品なんでしょうね。
百害あって一利なしのタバコと違い、酒は適度に飲めば百薬の長ですから、どうか課税対象にしないで頂きたいです
4. Posted by 猫ムスメ   2011年10月02日 11:27
まいるどさん

「餅を食べ過ぎ蛇含草を飲みつつ・・・」
って、餅になっちゃうじゃないですか!!(笑) 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
猫ムスメ

猫ムスメ