2012年09月25日

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【1位】 「利休にたずねよ」 山本兼一 著

山本兼一氏の直木賞受賞作。
利休の謎に迫るため、利休切腹の日から始まり、時間を遡るという構成を採っている。各章ごとに主人公も変わり、利休本人はもとより、豊臣秀吉、石田三成、徳川家康、細川忠興(利休七哲の一人。父は古今伝授を受けた細川幽斎、妻は細川ガラシャ)、古渓宗陳(大徳寺の僧で、利休の禅の師匠)、古田織部(利休七哲の一人)、宗恩(利休の二度目の妻)といった錚々たるメンバーが、利休の人生と芸術観を語っていく。
誰よりも美の神髄を知る男であった千利休の政治権力に屈することのない自らの美学を貫いた生き様を山本兼一による洗練された文章で感じることが出来る。歴史小説の醍醐味的一冊。

【2位】 「日本探偵小説全集12 横溝正史集」 創元推理文庫編

知る人ぞ知る、横溝正史の代表作を集めた一冊。
「鬼火」「本陣殺人事件」「百日紅の下にて」「獄門島」「車井戸はなぜ軋る」など、一度はテレビドラマで見たことがあるような有名作品が全て収められている。今までこの時代の探偵小説はエログロのイメージが強く避けてていたが、読まず嫌いはいけないと思い借りてみたらドハマリした。横溝の書く世界は強烈で、読むだけで映像が浮かぶ。いかにも映像化されやすい作家だと思う。意外な魅力を発見し、今は同じ「日本探偵小説全集」を1から読破している(江戸川乱歩・坂口安吾など)。いやはや、読まず嫌いは損である。


【3位】 「三匹のおっさん」 有川浩 著

昔「三匹の悪ガキ」と呼ばれていた3人のじいさん(剣道の達人・柔道の達人・ハイテクの達人)が還暦を迎え、「まだまだジイサンとは呼ばせない」とばかりに自警団を結成。町内の悪を正して回る痛快ストーリー。
これだけ聞くと偽善者ぶった厄介なじいさんを想像するが、3匹ともサッパリしている。決して出過ぎず、正義ぶることもなく、バランス良く問題を解決してゆき読後も爽やか。これはきっとテレビ化・映画化されると思う。三匹の配役まで目に浮かぶ。映像化されたら団塊世代が食い付くのではないか。続編「三匹のおっさんふたたび」も出ているので読むのが楽しみ。


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以上、私が32歳の1年間に読んだ170冊の中のベスト3です(´▽`)

毎年誕生日の後ブログにて(勝手に)発表しているランキングですが、あくまで“私が昨年度1年間に読んだ本”であり、新作という訳ではありません。1800年代のアメリカで書かれた本もあれば、1か月前の日本で書かれた本もあります。めっちゃランダムですwww
(尚、今年は忙しかったためまとめるのが誕生日から2ヶ月後の今となってしまいました

しかし優れた小説は色褪せません。
コナン・ドイルは私を馬車の走るイギリスに案内し、横溝は恐ろしいしきたり残る離れ小島に誘います。

こうした様々な年代・分野の作品に臆することなくチャレンジできるのも、ひとえに図書館のお陰。お金を出さない分、当たり外れを考えず果敢に挑むことができるのです(笑)  
浦安図書館の復活に心より感謝致します。

さぁゾロ目の今年はどんな作品に出会えるのか!?
楽しみでなりません(^_^)ニコニコ



shizutamarakugo at 20:46コメント(10)トラックバック(1) 

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トラックバック一覧

1. 山本兼一「利休にたずねよ」  [ 高岳堂Blog ]   2012年10月08日 11:57
利休にたずねよクチコミを見る山本兼一「利休にたずねよ」読了。落語好きの「猫ムスメ」さんのブログ「OL,落語にハマる」をちょいちょい拝見しているのだが、彼女は読書好きでもあ ...

コメント一覧

1. Posted by こうじ   2012年09月25日 21:17
お疲れ様です。凄いっ!
よくこれだけの冊数読みましたね。個人的には3位の本が気になりますね(笑)。私も活字中毒ですが、猫ムスメさんには脱帽です。
2. Posted by HyperChem   2012年09月26日 01:02
記憶への残り方というのも年齢とともに変わるかもしれません。
自分の場合、新しい本を読んでいくことはあまりなく、
昔読んだ本を引っ張り出してきて、何回でも読んで楽しむ
感じなので、ちっともレパートリーが増えません(^_^;)。
今は読書より、1曲弾きたい気持ちの方が勝ってる感じです。
読書の秋でもあり、芸術の秋でもありますね(^^)。
厳選の3冊、ちょっと意識して見てみます。
3. Posted by 猫ムスメ   2012年09月26日 07:11
こうじさん

最近は専ら「風呂読」専門です(^_^;) お風呂で汗をダラダラかきながら読むのがクセになってます(^^ゞ

3位の「三匹のおっさん」ですが、亡き児玉清さんも絶賛され、ラジオで紹介したりしたみたいですよ。それで余計売れたんでしょうね。
続編の単行本→文庫化が楽しみです
4. Posted by 猫ムスメ   2012年09月26日 07:17
HyperChemさん

いや、一曲弾きたいって思えるだけ素晴らしいですよ。大体の人は弾けませんもん 私もピアノを計10年弱習いましたが全くモノにならなかったし弾きたいとも思いません。やはり「習わされた」という気持ちが大きいからだと思います
でも自分に素質が無かった分、楽器を弾いて楽しめる人には憧れるし尊敬します。

読書の秋・芸術の秋……各々の楽しみ方で心豊かに過ごしたいものですね(*^_^*)
5. Posted by 求名のワタル   2012年09月26日 09:08
猫ムスメさんの読書量には感心します。「利休にたずねよ」は良い作品ですね。利休が肌身離さず持っていた香台を欲する秀吉との確執のようなものが切腹にへと・・・・
「3匹のおっさん」 痛快です。すっきりした読後感でした。私の読んだ本では池井戸潤の「下町ロケット」「不祥事(銀行支店を臨店指導する話です)」はやはり痛快でした。
最近は一話完結の短い短編物が好きです。東野圭吾の「黒笑小説・毒笑小説」そして時代物では藤沢作品の「三屋清左衛門残日録」などを楽しみました。今日は近所のブックセンターに出かけて来ます。
6. Posted by 猫ムスメ   2012年09月26日 12:16
求名のワタルさん

ワタルさんもかなりの量、読んでらっしゃるんですね~。東野圭吾・藤沢周平はほぼ全て読んでいますが池井戸さんの作品は(人気でなかなか借りられないこともあり)読んだことがありません。今度トライしてみたいと思います

ちなみに私も短編が好きです。
電車の中とかちょっとした時間で読めていいんですよね。長いと読み始めるのに気合いがいるし、読み始めたら始めたで止められずズルズル読むことになります  そういう意味では「三匹のおっさん」なんて最高でした

一時は本を山のように買っていましたが、お金が続かないのと狭いマンションで置き場所がないのとで断念。最近では専ら図書館専門となっています。広い家に住んで一部屋を書庫にし思う存分本を買う・・・なんて暮らしがしてみたいです(多分一生ムリですがw)
7. Posted by 求名のワタル   2012年09月26日 16:12
本の話題に刺激され少し遠ざかりつつあった読書をする気になりました。早速、娘から貰った図書カードを持参し本屋に行って来ました。
沼田まほかるの「ユリゴコロ」を帯の推薦文につられゲットしました。
沼田まほかるは以前読んだ「猫鳴り」が良い作品でしたので今回も期待してしまいました。
秋の夜長の楽しみです。
8. Posted by 猫ムスメ   2012年09月26日 17:04
求名のワタルさん

図書カードをプレゼントしてれるとは優しい娘さんですね。本好きにとっては一番嬉しい贈り物ではないでしょうか  私もたまに親が「○○で貰ったから」と言って千円分とか送ってきます(笑) うちでは誰も本を読まないので図書カードを貰ったら私・・・と決まっているようです。

「ユリゴコロ」は1年くらい前に読みました。おどろおどろしく気持ちが悪いけど目が離せない内容です。秋の夜長にはピッタリではないでしょうか  
私は今、朝倉かすみの「とうへんぼくで、ばかったれ」を読んでいます。
 
9. Posted by 高岳堂   2012年10月09日 12:41
遅いレスで失礼します。トラックバックさせていただきました。
初めまして、高岳堂と申します。

たくさん本を読まれていて、書評も的確で、「利休にたずねよ」を「推薦」していただき大変おもしろく読みました。有川浩も好きで読んでいます。
これからも随時「おススメ本」の感想文をアップしてくださいね。
10. Posted by 猫ムスメ   2012年10月09日 16:19
高丘堂 様

トラックバック&コメント頂き有難うございます。
と言ってもアナログ人間なものでトラックバックの意味がよく分かっていないのですが・・・(笑) とりあえずブログでご紹介頂き有難うございました 記事、拝見しました。

「利休にたずねよ」いいですよね!! 高校2年生で池波正太郎作品に出会い時代小説を読み続けてきましたが、久しぶりにズシンと来る小説に会ったなと思いました。気に入って頂けて嬉しいです

最近、落語からは遠ざかってしまい専ら何を食べたとかそんな記事ばかりになっていますが・・・また読書ネタもアップさせて頂きます。今後とも宜しくお願い致します。

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