2012年12月23日

映画 立川談志

冷たい雨が降りしきる3連休初日、私は東銀座に降り立ちました。
今月初にして最後の落語を聴くためです
いくら忙しいからってこれはナイ。ブログのタイトルに偽りありと怒られてしまいますね(T_T)

121222_1823~0001しかも今回は生落語ではありません。映画落語です。東劇にて公開中の『映画 立川談志』を観に行こうと(落語仲間様に)お誘い頂いたので、良い機会だと思い出掛けて来たんです(本当は店の手伝いがあったんですが今回ばかりはサボりました
談志師匠の没後1年企画として製作されたこの映画、予想以上の人気で早くも公開期間の延長が決まったそうです。実際かなりの人で賑わっていました

映画は「やかん」「芝浜」という対照的な2席を軸にプライベート映像なども織り込みながら進んで行きます。ナレーションは柄本明さん。
初めて聴いた「やかん」は談志家元そのものだと思いました。家元の思考回路が詰め込まれている一席という評判は嘘ではありません。他の人の「やかん」は聴いたことがありませんが、恐らく全く違うものなんだろうと予想が出来ます。家元が口にされていた“イリュージョン落語”、その典型がこの「やかん」なんだろうなぁと思いました。
そして「芝浜」。談志の芝浜と言うと例の「落語の神が舞い降りた」2007年よみうりホールを連想しますが、今回映されたのはその前年、2006年に三鷹公会堂で収録したものでした。私は実はあまり芝浜という噺が好きでなく、暮れの落語会で芝浜がネタ出しされていると避けていましたが、初めて聴く家元の芝浜は私が「?」だった箇所が全て解決され(詳細は長くなるので割愛します)、とても違和感なく(と言うか引き込まれて)最後まで食い入るよう見入っててしまう一席となっていました。2時間あっという間。クロージングに映された「芸の神様はこんなものか(略)」云々というテロップを目にした時には不覚にも涙ぐんでしまいましたよ

本来ナマモノであるべき演芸をスクリーンで観るのってどうだろうと思っていましたが全く遜色ありません。談志師匠に“ギリギリ間に合った”世代の私(生高座は一度しか見たことない)としては、むしろ色んな角度から細かな所作を拝見することが出来、嬉しく思いました。

これが2012年、私の落語納め
良いものを見せて頂きました。ありがとうございます。




                     お後がよろしいようで。




121222_2017~0001
映画の後、お馴染み、上野の「英鮨」でお寿司を食べました。もちろん日本酒と一緒に♪ 落語→寿司という久々のゴールデンコース。やはりどれだけ忙しくてもこういう時間って大切ですネ。



shizutamarakugo at 21:03コメント(6)トラックバック(0) 

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コメント一覧

1. Posted by こうじ   2012年12月24日 10:53
お疲れ様です。
映画知らなかったです。最近落語に全く行けてないんですよ。正月公演はとんでもなく混みますしね(笑)。映画で落語っていうのもありですね。
2. Posted by 猫ムスメ   2012年12月24日 17:35
こうじさん

私もです~
こんなに落語から遠ざかるのは初めてなので、ブログもついに年貢の納め時かと思ってました(^_^;)
今は「スクリーン落語」みたいなのも結構ありますね。まぁ生で観るに越したことはないんですが、往年の名人を観るにはいいかもしれませんね

3. Posted by HyperChem   2012年12月24日 17:47
23日に銀座におりました(おしい!)。
映画になっていたんですね。
さすが、談志師匠!
没後1年で、時間をかけて厳選しいろいろな映像を
盛り込んで作り込まれたものという感じが伝わります。
いい落語納めになって本当によかったと思います。
もちろん、ゴールデンコースも(^^ゞ。
4. Posted by 猫ムスメ   2012年12月24日 20:23
HyperChemさん

流石はHyperChemさん、ゴールデンコースに突っ込んで頂き有難うございます(笑)  
それにしてもHyperChemさんとはよくニアミスしますね!この間も恵比寿でニアミスしたような・・・ 行動範囲が一致してるんですかね~♪ なんか嬉しいです

家元が亡くなって早1年、ご存命の頃はあまりご縁のない噺家さんでしたが、亡くなってから逆に拝見する機会が増えたように思います、良い落語納めになりました。
5. Posted by 喜駄八   2012年12月27日 18:18
「う~。談志って落語が上手いんですか。
・・・。
自分は落語が上手いって言うのが上手かったんではないんですか。
聴いたことがない人達が、みんなが上手いと言うので嫌いだと言い出せなくて、上手いとい言っているだけじゃないんですか。」

と喜多八がマクラで良くやります。それを気持ち良く聞いている人も談志は良いと言っている人と同じくらいいるんです。

談志嫌いは談志を話題にしないので、談志は良いと言う声しか聞かないのです。

「噺に登場する人物がしゃべるのを真剣に聞いて、それを相手の人が真剣に答えてしゃべる。」三三
「古典落語は噺の流れで
6. Posted by 喜駄八ー2   2012年12月27日 18:35
「古典落語は噺の流れに乗って噺の面白さで笑わせる。」小三治

と話しています。
何か落ち着いた感じです。

(落語会に移動する車内で書いていて、乗り換える時にオペミスをしてしまいました。)

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