2014年04月25日

思い出の一冊

字を覚えたその日から今日まで数えきれない程の本を読んできた私。

よく「今まで読んだ中で一番良かった本は?」と聞かれますが、それは愚問です

文学や芸術とは自分を映す鏡であり、その時その時、自分の置かれた状況によって捉え方が違うからです。15才の私が読んで感銘を受けた本でも、三十路の私が読んだら“ケッ”かもしれません(笑)。

だから一番良かった本云々という質問はなるべく止めて頂きたいものです。

しかし「印象深い本」というのはあります。

何かの事情で自分の心に深く刺さっている本です。

必ずしもそれが優れた作品だとは限りません。大した内容でなくても、例えば自分の置かれた状況に完全に一致していたり、気持ちを代弁してくれる内容であったなら、それは後々まで「思い出の一冊」として心に残ることでしょう。

私にも何冊かあります。愛だの恋だのに敏感だった中学生の頃読んだ村上春樹「ノルウェーの森」、アメリカで日本語に飢えていた時出会った池波正太郎「剣客商売」、どれも思い出深い一冊です。思い出すとその頃の光景まで目に浮かんでくる

から不思議なものですね。

ちなみにこの時期いつも私が思い出すのは三浦綾子の「氷点」です。

まだ無名だった三浦綾子が朝日新聞の懸賞に応募し対象を取った作品。

あまりに有名なので皆さん内容は知っていることしょう。北海道を舞台にした壮大な物語。映画化・ドラマ化もされていますね。

何故私がこの時期この作品を思い出すかというと、上京初日に読んでいたからです


1998
4月、土壇場でこの大学に入学を決めたため引っ越し屋の手配が間に合わず、入学式前日に寝袋とボストンバッグ1つ抱えて上京した私・・・

空っぽのアパートで寒さに震えながら読みました(不動産屋でエアコン完備と言われたのにクーラーしか無かった

4月にしてはとても寒い夜で、寒くて寒くて眠れず、結局朝まで起きて上・下巻読み切ったのを覚えています。もちろん途中からは夢中で寒さも忘れました。

「氷点」という小説の重さ、ガラーンとした部屋、あの夜の寒さ・・・

毎年4月になると必ずセットで蘇る記憶です。

正に「思い出の一冊」というヤツですね。

音楽や映画もそうでしょう。

誰にでも、こんな思い出の一曲・思い出の一作があるのではと思っています(^_^)ニコニコ




 



shizutamarakugo at 19:00コメント(6)トラックバック(0) 

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コメント一覧

1. Posted by オスカー   2014年04月25日 23:36
こんばんは。
>思い出の一冊
なんてステキな言葉~自分が一冊の本になって誰かの思い出になりたい!!(≧▽≦)←おばちゃんが言ってもサムイだけですな(涙)

私の思い出の一冊ってなんだろ?と考えていたのですが……東京に出てきた時には『花とゆめ』(マンガ雑誌)とか読んで浮かれていた気がしますわ。『氷点』は母がドラマで見ていたようで、時々その話をしていました。でも私、未だに読んでいません~リメイクのドラマ化も「小説読みたいから見ない」なんて言っていたので、内容も知らない…!
私もこの時期になると思い出す一冊がほしいなぁ…!!
2. Posted by HyperChem   2014年04月26日 00:52
いろんなものが思い出とリンクしますよね。
ご指摘の音楽は典型的なもので、音楽が
長く愛されるのもそんな理由の1つだと思います。
受験の大変な時期には音楽だけでなく本も
リンクしていますよ。
将来の自分を重ねて読んだ本、気分転換に
もってこいな本。本なくしてはあの時期は考えられ
なかったと思います。
P.S.この記事のみレイアウトが少しおかしいみたいで
右のサイドバーの裏に記事の一部が隠れてしまって
います。livedoorのトラブルかな?
3. Posted by 猫ムスメ   2014年04月26日 07:21
オスカーさん

ちょっとベタなタイトルかなと思いましたが、ステキと言って頂き嬉しいです

「氷点」はドラマなんかで見ちゃいけません あれは小説だからこその作品なのです。けっこう長いしテーマが重いので読み始めるのに気合がいりますが、“どっしり腰を据えて何か読みたいな”という時にお勧めです 

ちなみに高校3年~大学1年の私は三浦綾子と遠藤周作ばかり読んでいました(^_^;) 「生き方」や「生きる価値」といった事柄に興味があったんだと思います。今じゃ考えられない(笑)。
昨日は東川篤哉さんの烏賊川市シリーズを読んでゲラゲラ笑っていたワタクシです( ̄∀ ̄)
4. Posted by 猫ムスメ   2014年04月26日 07:36
HyperChemさん

私は音楽の良さがわからない人間なので「好きな曲」とかはないのですが、それでも「思い出の曲」はあります。その曲がかかると一瞬でそれを聴いていた場所にタイムスリップしてしまうのです。それだけその時のシチュエーションにリンクしていたのでしょうね 不思議なものです。


ところでこの記事、やはりおかしいですか… 実はこの記事だけ直接書かず、外部に書いた文章を取り込む形でアップしたんです。新たな試みでしたが上手く行きませんでしたね 隠れてしまっている部分を改行して下に持ってゆこうとしましたが、出来ませんでした。読みにくくてすいませんが今回だけ勘弁してくださいm(_ _)m
ご指摘頂きありがとうございました。
5. Posted by おっくん   2014年04月26日 10:29
高校の頃読んだ「老人と海」かな。
すっごく感動した。
1日で読んでしまった。
今読んだらどうだろうか????
6. Posted by 猫ムスメ   2014年04月26日 20:27
おっくんさん

ヘミングウェイは恥ずかしながら読んだことがありません。そうですか、「老人と海」、感動しましたか・・・。
やはり世界的に“文豪”と呼ばれる方の作品は一通り押さえておくべきなのでしょうか。いつもそう思いつつ、なかなか手が伸びないダメダメな私です

ps.お名前の件は修正させて頂きました。ご丁寧に有難うございました♪

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