この落語家をよろしく

2010年07月29日

100711_1947~0001先月「この落語家をよろしく」という本が出版されました
そのまんまの題名ですが、去年モーニングに1年間連載されていたコラム「今週この落語家を聴け!」をまとめた本です。
著者は東大卒の広瀬和生さん。一年間365日ほぼ毎日、生で落語を聴いているという(しかも仕事じゃなく趣味で)ある意味ヘンな人です( ´∀`)つ

ザッと数えたら50人程の噺家が紹介されています。私はあまりベテランの方を追いかけないので、そのうちだいたい半分くらいしか生で聴いたことがありません。でも、実際聴いたことのある噺家さんに関してはニヤリとしながら読めたし、聴いてない噺家さんの欄も “フムフム” と笑いながら読むことが出来ました
特にこの手のマニア・この手の本にありがちな、分析的すぎるきらいがなくて良いです。広瀬さんがこれだけ落語を聴きながら、どこか客観的に昨今の落語ブームを眺めており、“この人の良さがわからなければ笑いがわかっていない” みたいな押し付けがましさが無いのも良いです。具体的に個々の噺家さんがやっている落語会の名称も記載されているので、参考にもなります。

大変わかりやすい内容なので、正に入門書的にはピッタリ。落語通の方にとってはツッコミ所満載だし物足りないかと思いますが、これから落語を聴きに行こうみたいな若い人はこれを読めばいいと思います。
・・・よく、物知り顔で「面白い・面白くないなんてのは主観的なものだから、自分で判断すればいいんだよ。人の書いた評論なんて当てにならないよ。」などのセリフを吐き、ガイド本(と、それを読む人)を馬鹿にする人がいますが、それは違います。初心者の私だから言いますが、何事にも“指標”って大切です。とりあえず誰の感性でも良いから、1人の人間がいいと思うものを素直に受け入れてみては思います。そしてそこから自分なりの好き嫌いを判断すればいいんです。

と、あまりに当たり前な事を滔々と述べてしまいましたが、すいません(ちょっと恥ずかしい・・・)  でも、なにせただ「面白いから」 という単純な理由だけで年間1500席以上の落語を全て自腹で聴いている方の本です。それだけで、どことなくオイシイにおいはしますよね(笑)
ご興味の湧いた方は是非、読んでみてください

 
                         お後がよろしいようで。










shizutamarakugo at 20:42コメント(0)トラックバック(0) 
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