半七捕物帳

2010年12月16日

「半七捕物帳」は、言わずと知れた岡本綺堂の代表作です。
日本における探偵小説草創期の傑作といわれ、後世の様々な作家に影響を与えました。

うら若き乙女だった高校2年生の時、ふとしたキッカケで池波正太郎を手に取った私・・・それからドップリ時代小説にハマり、藤沢周平や山本周五郎・平岩弓枝などを読み漁ってきました もちろん半七捕物帳も全て読書済みでしたが、最近気になるタイトルを図書館にて見つけたんです。

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それが、『読んで、「半七」!』『もっと、「半七」!』の2冊です。
今をときめく北村薫・宮部みゆきのお2人が数ある短編の中厳選し、編集しただけあってどれも粒揃い。ちなみに宮部みゆきさんは「時代小説を書く前には必ず半七を読み返す」というほど岡本綺堂の世界をリスペクトしているそうです。なるほど、なんとなく宮部みゆきの書く人情話には、半七に共通するものがある気が致します

けっして他書に未収の短編が載っているわけではありません。全て岡本綺堂の単行本で読んだ既読作品です。が、何年も経っているのでかなり忘れている部分があります。夢中になって読み進めてしまいました。

半七の面白さの1つは、明治時代を生きる老人が江戸・幕末を振り返るという時代設定でしょう。明治時代が“イマドキは…”であり、江戸時代が“あの頃は…” なワケです  “御一新(維新)” を生き延びた老人の目から語られる江戸の風俗が、とても生き生きと魅力的に映し出されています。また、大正~昭和初期にかけて書かれた作品にも関わらず、今に通ずるテーマが数多くあることにも驚かされます。

やはり、良いものは時代を超えるのですネ。
時代小説に抵抗感を感じている方々にも、是非読んでみて頂きたい一冊です(^_^)ニコニコ



shizutamarakugo at 23:40コメント(2)トラックバック(0) 
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