古今亭駒次

2014年08月11日

20日ぶりの生落語でした(((( ;゚д゚)))
無事年季が明け、沸点に達した “落語欲” を満たすべく私が選んだのは駒次さんの鉄道落語! 我ながらナイスチョイスだと思います

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会場は溜池山王駅から徒歩5分。
私は初参加でしたが、もう46回も続いている会なのですネ。
どうやら毎回駒次さんがネタおろしをする「勉強会」のようです。
狭いスペースにお客さんギューギュー。補助椅子まで出し大入り満員でした。台風接近による荒天候の中、これだけ呼べれば大したものです(大半が毎回来ている常連っぽい)。

【第46回 赤坂寄席 8月9日(土)】

古今亭 駒次 『車掌の夢』
古今亭 始  『黄金の大黒』
古今亭 駒次 三題噺
  ~仲入り~
古今亭 駒次 『ビール売りの女』


今回楽しみにしていたのは「三題噺」。
お客さんから3つの「お題」を出してもらい、それに沿った噺を作って披露するアレですね。そういう芸があるというのは知っていましたが、実際目の前で見るのは初めてだったんです
本当にその場で(お題を)募集するのだろうか? 仕込みとか無いのだろうか? どれくらいの時間で作るのだろうか? どの程度の長さなのだろうか? ちゃんとサゲまでつくのだろうか? ・・・好奇心で一杯です

結果は “本当にガチ” でした。
会が始まる前、駒次さんご本人が前に立ち客席から挙手でお題を募集(同じ人が3つではなく、1人1つ)。そして一席目は普通に落語をやり、二席目、ゲストの始さんが繋いでいる間に楽屋で創作する。そのような流れでした。ナルホドよく出来たシステムです。始さんはまだ二つ目になったばかりの方でしたが、少しでも長く駒次さんに創作の時間を与えようと大汗かきながら40分くらいかけて『黄金の大黒』を演じてましたよ(苦笑)。お疲れ様です。

ちなみに肝心のお題は【ブルートレイン】【大垣夜行】【深海魚】でした。
なかなか創りにくそうな組み合わせですね。特に3つめの人はもう少し空気を読めないのでしょうか。それともこういうのが当たり前(難題を与えるほど粋?)なのでしょうか。最初の1人だけは何でもいいけど、2つめ・3つめの人は責任重大。私ならもう少しまとまりのあるお題を選んであげるのになぁ・・・などと素人丸出しで考えてしまいました( -д-)ノ 余計なお世話ですいません

もちろん駒次さんは見事にやり遂げました。
創作時間は始さんが繋いだ40分程。噺の長さは7分。ちゃんとサゲもついてました。提灯鮟鱇という面白みのある魚を選んだのも流石だと思います。きっとスマホで深海魚を一生懸命調べたんでしょうね。私の大好きなテツいじりも入っていて、充分楽しめる一席でした。短時間でこんなに整合性のある落語を1つ創っちゃうなんてすごいなぁ。今「三題噺」に挑む噺家さんがどれくらいいるのか知りませんが、きっと頭の回転に自信がある方達なんじゃないかと思います(^_^)ニコニコ

お陰様で20日ぶりの「落語充」は満足のゆくものに・・・
やっぱり好きだなぁ、駒次さんの落語。
改めてその思いを噛み締めながら帰路に付くのでした。





                      お後がよろしいようで。






shizutamarakugo at 19:30コメント(10)トラックバック(0) 

2013年10月27日

先日『鉄道落語』という本を読み引っくり返って大笑い。
【そのうちどこかの落語会で小ゑん師匠の鉄道落語に出会えることを願っています。】という一文でブログを締めたワタクシですが、遂にその機会が巡って参りました( ´∀`)つ
この本を貸してくださったご本人でもある落友さんが、“道楽亭で鉄道落語の会がありますよ” とお誘い下さったんです!! 正に千載一遇のチャンス。台風を気合で逸らせ、行って参りました~(笑)

            【柳家小ゑん千一夜(第13夜)】

           柳家 小ゑん 「恨みの碓氷峠」
           古今亭 駒次 「泣いた赤い電車」
                ~仲入り~
           柳家 小ゑん 「トニノリ」

小ゑん師匠は初見でしたが還暦と思えぬエネルギッシュさ。
高座に上がり客席を見渡し「今日は鉄分(てつぶん)が低そうだ」「このあいだ人形町でやった出版記念落語会はすごかった。月曜日の夜で3500円もするのにテツで満席になった」・・・と、マニアの習性をいじり、客席を沸かせます

1席目は本を読んで私が “き、聴きたい・・・” とウズウズしていた「恨みの碓氷峠」!! やはり文字にしたものとは微妙に内容を変えていますね。しかし私が笑い転げたテツいじりのくだり(チェックのカッターシャツ着て汚いリュック背負って)等は健在(´▽`)  
文字に残らない分、“喬太郎みたいな腹”とか“雲助・馬生の違い”とか、「ピー」なくすぐりも満載でした(爆)。
師匠のすさまじい熱演でヒートアップする店内。ただでさえ狭く暑っ苦しい道楽亭が、息をするのも困難な場所になりました  私が思うに、「鉄分(てつぶん)」は充分高かったと思います。師匠のマニアックなネタ(路線の名前とか車両の番号とか)にも皆キッチリ笑ってましたからね~。あれは知らないと笑えないと思いますw

密度の高さが苦手で道楽亭に2年程近付かなかった私。
楽しいんだけど息苦しくて気分が悪い、もう限界・・・という極限状態に陥ったところで駒次さん登場。さ、爽やか・・・。涼しげなお顔と品の良い佇まいに温度が3℃戻りました(笑)。命の恩人です。
「泣いた赤い電車」は斬新なことに紙芝居でした。口調も民話風。素人にも分かりやすく、落ち着いて聴けました。個人的には京浜急行の車内に散らばっていたつまみの袋が「コイケヤ」だった所がツボでした(笑)。
本で読んだ「鉄道戦国絵巻」もそうでしたが、駒次さんの鉄道落語は比較的テツでない人間にも楽しめる内容だと思います

小ゑん師匠のトリネタは「トニノリ」。これは本には無かった演目です。
山手線の《戸袋窓》の中に海苔が入っているのを発見したサラリーマンがなんとか取り出そうと苦悶する滑稽噺ですが、残念ながら私《戸袋窓》が分からない 《戸袋》ならかろうじて分かるので、“あの部分がガラスで覆われていたのかしら?” と想像。“あんな所に海苔が入るか?”“入ってもドアが閉まる時グシャグシャになるのでは?” と頭の中が「?」マークで一杯になりました。終演後、落友さんのスマホで写真を見せて頂き納得。あんな所に窓が付いていたとは・・・ナルホドなと唸るばかりです( -д-)ノ


それにしても驚くべきは、小ゑん師匠&駒次さんの多才さ
小ゑん師匠は鉄道だけでなく星(天体)にも造詣が深く、専門誌にコーナーを持ったりプラネタリウムで解説をするレベルらしい。また、石(鉱石や化石)にも興味をお持ちで、新宿で年に一度行われる「ミネラル・フェア」に行かれた話がとても面白かった。なんでも石マニアにとって最終的な夢はどの化石を集めるかではなく、自らが化石として残る事だそう。どうすれば化石になれるかの死因(理想は土石流か鍾乳洞とか・・・)を楽しそう~に語って下さいました(笑)。もちろんネタでしょうが、こんなディープな話で笑いを取れるのは落語界広しと言えども小ゑん師匠だけではないかと思います(*゚▽゚*)
駒次さんも負けてはいません。鉄道だけでなく、絵もプロ級。紙芝居の絵がやけに上手く色使いも素人離れしているのでスゴイな~と思いながら見ていたら、小ゑん師匠の口から「駒次さんはお父さんが絵描きさんなんですよ♪」と軽くカミングアウト。客席から「へぇぇぇぇー!(だからか・・・)」というどよめきが起きました。お父上がプロの絵描きだったらさもありなんですね。受け継がれる才能。ご自身はプロにならなくとも別の世界で見事に活きています

・・・引き出しが多いってスバラシイですね。
1つの分野すら極めていない私としてはただただ感心するばかり。
なんで皆さんこんなに多才なんだろう。
改めて「芸人」の凄さを実感する、ディープな夜でした。




                         お後がよろしいようで。







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【写真】
落語の後は新宿の古民家風居酒屋でお食事♪
燻製も油揚げ(栃尾)の味噌焼きも美味しかったです。     
新宿にいるとは思えない静かな雰囲気の店だったので、また機会があったら利用させて頂きたいと思います。遅くまでお付き合い頂き有難うございました            



shizutamarakugo at 11:29コメント(6)トラックバック(0) 

2013年08月15日

『鉄道落語』という本を読みました。
鉄道マニアとして知られる古今亭駒次・柳家小ゑん・桂しん吉・桂梅團治の4人が書いた共同著書です。版元は交通新聞社新書(笑)

私が「鉄道落語」という分野を知ったのは(ブログによると)2011年9月でした。その時は落語というより「電車で巡る落語スポット」という “調査報告” だったようですが(すいませんが内容はよく覚えてません・・・)、車掌帽の駒次さんを見て噺家にも色んな人がいるもんだと思ったものです
その後、本格的に鉄道落語を聴いたのは(ブログによると)2012年3月、やはり駒次さんでした。これはもう鮮烈に覚えています。記事を読んでも分かりますが、抱腹絶倒でした。しかしその後、機会が無く、鉄道落語は聴かず終い・・・駒次さんの「鉄道戦国絵巻」が最初で最後となっておりました(T_T)


そして今回、落友さんから借りて読んだ『鉄道落語』、“1両目” はその駒次さんの「鉄道戦国絵巻」だったのです!!! 実に1年半ぶりの再会。文字に起こした分、耳で聴いてよく分からなかった(電車の名前とか)も読むことが出来、これまた抱腹絶倒でした(゚∀゚)アヒャヒャ 
渋谷駅の地下から東横線に揺さぶりをかけその混乱に乗じて東横のれん街を奪えとか、無闇にスピードを出す京浜急行線とか、小ネタ満載(*´∇`*)

“2両目”の小ゑん師匠も素敵
師匠はかなりテツをイジってますね(笑)
生まれてくる子供にデコイチという名前をつけようとして女房に出て行かれた鉄道マニア・・・「お前バカか!デコイチなんてお前、人間の名前じゃないよ~!」「でも彦いちってのがいる」「それ落語家だよ!」。
そして女房・子供を連れて碓氷峠に出かけた鉄道マニア・・・「(子供)あっ!すごいカメラで写真撮ってるお兄さんがたくさんいるよ」「(夫)そうだ。ここはツバサ、鉄道マニアの聖地なんだ」「(妻)あら、やっぱり。ダサいチェックのカッターシャツ着て、中間色のブルゾンにきったないリュック、ぶくぶくの腹で、暗そうな男ばかりね」


・・・ゲラゲラ笑いながら1時間くらいで読み切ってしまいました
流石に上方のお2人の作品は、路線の名前も電車の名前も距離感もあちらの芸人さんも何もかもよく分からないので微妙な点はありましたが、江戸のお2人は文句なしに面白かったです。

落語を文字で読んでこれだけ面白いとは意外(今まで落語家の書いた本は読んでも落語そのものを文字で読むってありませんでした)。
やっぱテンポがいいんですかねぇ。読んでるうちにどこかの小さな落語会で至近距離で聴いているかのような気分になりました。鉄道に全く詳しくない&東京の人間ではない私が読んでもこれだけ楽しめるというのも意外です。マニアックな鉄道ネタは分からないけど、上に挙げたようなくすぐりが満載で大笑いしちゃいましたわ~(゚∀゚)アヒャヒャ

そのうちどこかの落語会で小ゑん師匠の鉄道落語に出会えることを願っています。




                     お後がよろしいようで。



shizutamarakugo at 19:12コメント(14)トラックバック(0) 
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