宝井駿之介

2014年03月25日

お蕎麦屋さん・お寿司屋さん・居酒屋・お寺・スーパーの一角・・・色んな場所で落語を聴きました。「小さい小屋専門」を自負する身としてはどこでやると言われても引きません。逆にマニアックさを面白がるタイプ。単身どこでも乗り込みます。そんな勇猛果敢な(?)ワタクシ、先日はまた一風変わった場所での落語会に行ってきました。
なんと、団地の一室('▽'*)ニパッ♪

ま、“一室” と言っても集会場なんですがね。
浦安のお隣・葛西にある「なぎさニュータウン」という団地の集会場でした。やろうと思えば200席くらい作れそうな大きいお部屋 
私いわゆる団地というものに足を踏み入れるのは初めてだったのですが、どの団地にもこのような共有スペースがあるのでしょうか。だとしたら本当に団地って「街」なんですね。ちなみになぎさニュータウンは某不動産会社のサイトによると【葛西沖開発地区として葛西臨海公園・水族園等とともに開発されたウォーターフロントのビッグコミュニティ。約58,000㎡もの敷地に全7棟・総住戸1,362戸が建ち並び、敷地内に飲食店や病院、区立第二堀江保育園等が揃っています】とのこと。後で住人の方に聞いたところ現在約3500人が暮らしているそう。この均一化された建物の中にそれだけの方の人生が凝縮されているかと思うと田舎の“戸建てチルドレン”としては圧倒されるものがあります。そう言えば子供の頃、団地やマンションって憧れだったなぁ

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お天気良好。集会場の前は広場になっていて子供がキャーキャー遊んでいました。

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70個ほど用意されたパイプ椅子にお客さんは50名程度(概ね主催側の予想通りだったそう)。こんなゆったりとした空間でさん八師匠が聴けるなんて、とてつもない贅沢。

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まずはさん八師匠ご登場。この落語会の概要について軽く説明。以前はたまにやっていたけど震災以降はやっておらず、約4年ぶりとのこと。講談の釈台・めくりの台・屏風さえも主催者の方のご主人の手作りと聞いてビックリ! 世の中には器用な方がいるものです。こういう場所で活かされる特技、素晴らしいですね
一席目は人と人との相性・・・から入り、「長短」。饅頭を食べるくだりで爆笑でした(気の長い男は半分をモッサリ・気の短い男は1つを3口でパクッ)。最後、サゲを知っているだけに「火、火ついてるよー!」と思わず長さんに教えてあげたくなりましたわぁ(笑)。

お次は講談の宝井駿之介さん。さん八師匠とは江戸川区平井(師匠の出身地)在住ということでご縁があるそうです。講談というとおじいさん出てきて赤穂浪士がどうのとか関ヶ原がどうのとか身を乗り出しながら話すイメージでしたが(←なんという偏見www)、駿之介さんは中性的なルックスが魅力の若い方。演目も1つめは東京オリンピックにまつわる話。2つめは女流義太夫「呂竹」の立身出世物語。2席とも柔らかな内容で抵抗なく楽しめました。さん八師匠が仰有る通り“若き俊英”なのでしょうね

仲入りを挟み、トリは勿論さん八師匠。ケチとシミッタレの違いから入り、「味噌蔵」。この噺、子供が出来ても全く喜ばないケチ兵衛が嫌であまり好きな演目ではないのですが、さん八師匠のは嫌味が無くて楽しめました。「ドカチャカドカチャカ」が頭から離れません(笑)。

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2時間強で落語会終了。
「囲む会」に残る方は隣の部屋に移動してくださいと主催者から説明が入ります。指示に従い移動したところ、そこは会議室のような部屋。長机に仕出し弁当がズラリ並び、さながら「町内の寄り合い」状態
あまりの “美味しい光景” にブロガーとして喜色満面なワタクシ。ホクホクしながら席に着きビールを飲んだり師匠とお喋りしたりしていたら、宴もたけなわになった頃、誰かがカラオケ機のスイッチをオン♪ 突如カラオケ大会の開始です!! お、美味しすぎる・・・(涙目)。後でどうネタにしてくれようかと考え込んでしまいましたわぁv( ̄∇ ̄)v
お客さんは団地の住人の方ばかりで全くのアウェイでしたが皆さんの歌い上げる懐メロ聴きながら楽しい時間を過ごさせて頂きました。ちなみにさん八師匠が着物姿で熱唱された「また遭う日まで」はお世辞抜きにお上手でした~! 駿之介さんも歌唱力抜群だったし、やはり芸人さんは多才ですね。才の1つも無い私としてはただただ口を開け感心するばかりなのでした( -д-)ノ



・・・ちなみにこの「なぎさ寄席」、東京かわら版にも載っていません。本当に団地の住人を対象とした正真正銘の「地域寄席」。
では何故部外者の私が行けたかと言うと、さん八師匠に直接ご連絡を頂いたからです。地元で落語会を開くにあたり「そう言えば隣駅に住んでる猫がいたな」と思い出し、わざわざ連絡して下さった師匠のお心遣いに感謝感激。益々ファンになりました

それにしても思うのは「縁」の不思議さ。
最近よくよく感じます。
落語を聴き始めてから特に「人間の輪」が広がりました。
枝葉のごとく分かれては触れ合う人の縁。これからも有難く大切にさせて頂ければと思います。まいるどさん・奥様、ディープな夜をありがとうございました。




                   お後がよろしいようで。



shizutamarakugo at 21:30コメント(8)トラックバック(0) 
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