有明夏夫

2013年03月30日

最近、有明夏夫さんの『大浪花諸人往来』シリーズを読んでいます。
時代小説には珍しく、明治維新後の大阪を舞台に書かれたこの作品。
一作目は第80回直木賞も受賞しています。落語ファンの皆さんには “枝雀師匠が主役をやったアレ” と言った方が通りが良いかもしれませんね
なにしろ西が舞台ですから今まで読んできた江戸モノとは全く雰囲気が違い、出てくる文化風俗、全て目新しいものばかり。当時の大阪を知る意味で歴史的価値もある小説だと思っています(*'-'*)

まぁこの小説の魅力については長くなるので省略しますが、第4集まで読んだところでスルー出来ない豆知識に遭遇しましたΣ(´д`;)

それは「消えた土地」という一篇でのこと。主人公の源蔵親分は、とある事件を解決するため、利き酒の名手に話を聞きに行きます。そして通された茶室で1つの掛け軸に目を止めます。そこには『総都個疾来疾来早』の文字が・・・

腕はあるが学はない親分。素直に主人に「あれはどない読みまんねん?」と訊ねると、このような答えが返ってくるのです。
『スットコドッコイドッコイサ、となりますんや。』 (驚)

そして有明氏はこの様に続けてます。
【いまでこそ、この掛け声は相模甚句や木遣音頭、更には地鎮祭の地突きや棟上げで親しまれているが、もともとは格調の高いものだったらしい。作者は鎌倉期の僧一信和尚だとされている。かの蒙古軍が襲来した弘安の役の折、出征兵の士気を鼓舞するために、彼が宋音(そうおん)を用いて著した軍歌の一節で、陣句ともいう。】


・・・そ、そうなのか
今も「ドッコイサ」は言わないけど、「スットコドッコイ」は言いますよね?? 「このスットコドッコイ!」みたいな感じで
それがこんな格式高い由来を持っているとは知らなかったわぁ(同じスットコドッコイですよね??) って言うか、“相模甚句や木遣音頭・地鎮祭・棟上げで親しまれている” という事実すら知らなかった。これもやはり明治維新前後の大阪独特の文化だったんですかねぇ( -д-)ノ

作者自身『どこまで本当か知りようがないが、結構な耳学問にはなった』と源蔵親分に言わせていまが、由来に関して真偽の程は分かりません。でも、棟上げ云々のくだりだけでも勉強になりました。
これからは「このスットコドッコイ!」の意味合いが自分の中で変わってきそうな気が致します(笑)


shizutamarakugo at 18:47コメント(4)トラックバック(0) 
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