神田やぶそば

2013年02月20日

昨晩の火事は衝撃的でした。
創業130年、空襲にも震災にも耐え神田の誇りとなっていた歴史的建造物が、火を吹き燃えているのです・・・

あの時間、私はもう神田にいませんでした。が、たまたま見たツイッターで炎に包まれる「やぶそば」の画像を発見し愕然としました。ま、まさか・・・やぶそばという名の蕎麦屋は他にもあるのでどこかの間違いかと思いましたが、本当にあの「神田やぶそば」でした
そこからはもう必死です。なんとか消えてくれと願いながらツイッター・フェイスブックを開き、色んな人が(画像付きで)投稿している実況中継を追いかけましたが、炎は大きくなるばかり。素人目にも“無理”なことが分かります。こうなったらせめて他の建造物には燃え移らないで欲しい・・・。なにぶん神田須田町は街全体が文化遺産のようなものですから、そう願った人は大勢いたハズです。やぶそばのすぐご近所だけでも「竹むら」や「ぼたん」がありますからね。全て燃えてしまったらどれだけの文化的損失となることでしょう。

それと共に私がずっと考えていたのは『あの梅は無事だろうか』ということでした。「神田やぶそば」は門を入ってすぐ右手に立派な梅の木があり、店のシンボルのような形になっていたんです。塀の外側からも見えるので、私も通りかかるたび「まだ3分咲きだな」「ようやく5分咲き」「遂に8分咲きだわ」と楽しみに見ていたんです。最後に通ったのは先週だったと思いますが、約8分咲きで、あの立派な建物と融合し正に「日本の美」を体現していました。

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【左】ネットで拾ってきた画像なので少しわかりづらいと思いますが、在りし日のやぶそば。門を入ってすぐ右(藪蕎麦という看板の上)に出ているのが梅の木です。
【左】燃えるやぶそば。この写真だと咲いている梅が見えるかもしれません。

あの梅は無事だろうか。気になり出したら止まらず、今日の昼休み、確認しに行ってきました。


130220_1345~0003←ぶ、無事でした。゜゜(´□`。)°゜。
しかも塀や建物の外側は燃えていません。煙と炎がすごかったのでほぼ全焼かと思いましたが、燃えたのは内側中心のようです。ただしグルッと回って見たという人によると、裏の住宅と隣のビルがひどいことになっているそう(私は野次馬の数がすごかったので遠くから梅を撮影するだけに留め、近付きませんでした)。


よくあの炎で無事だった・・・
野次馬と報道陣に囲まれる梅の木を見て私の胸に浮かんだのは、「奇跡の一本松」でした。あの松の木が復興の象徴となったように、この梅の木もやぶそば再建の希望となるのでしょうか。

経営者は火災直後から「必ず再建する」と宣言しているそうです。
しかし創業時からの「かえし(つゆのもと)」焼けてしまったそうだし、近隣にも被害を出してしまっていますから、なかなかすぐの復活は難しいことでしょう。なによりあの建物がありません。

しかし幸いなことに「竹むら」や「ぼたん」「伊勢源」「まつや」等々、他の歴史的建造物は無事でした。一時は須田町全体が煙に包まれているとの報道もあったので危惧していましたが、正に不幸中の幸いです。
歩いているとまるで映画の舞台に立っているような気持ちになる神田須田町・・・この地にまた「藪蕎麦」の看板が立つことを願っています。



shizutamarakugo at 19:56コメント(6)トラックバック(0) 
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